ゴールを目指して




関東大会も終わり、夏休みが始まった。
だけど、俺たちにはまだ先がある。


全国大会だ。


夏休みだからといって、遊んでばかりじゃいられない。
しっかり練習して、全国大会に備えなければならない。
そんな時、恋人のに、


『リョーマは俺よりテニスが大事なんだろ!?』


と言われた。

俺が全国大会に優勝したいって思っていることを、もわかってくれているのだろうけれど、感情がついていかないらしい。 は俺たち青学が関東大会を優勝し、全国大会出場権を得たことをとても喜んでいたし、試合も全部応援に来てくれていた。

それなのに、がああいうことを言うのは、俺に責任がある。
テニス部が休みの日にと全然遊ばなくて、桃先輩とか部活の人たちと過ごすことが多かったから。
そのことをどこかから聞いてしまったらしい。おそらく、堀尾あたりが何か言ったのだろう。
堀尾とは小学校が同じだったとかで、結構仲が良い。
今更、堀尾を責めたところで何かが変わるわけでもないから、今はどうやっての機嫌を取るかだ。





「おーい!えちぜーん!!今日の帰り、マック寄ってかねぇ?」


休憩中、桃先輩が駆け寄ってきた。


「今日は用があるんで、真っ直ぐ帰るッス。」


「そうか?珍しいな、お前が真っ直ぐ帰るなんてよ。」


桃先輩が不思議そうな顔で俺を見た。


「そんなこと無いッスよ。」


「ま、いいけどよ。」


「あ、越前!!あのさー・・・・」


たまたま通りかかったのか、堀尾が声をかけてきた。


「何?」


が来てるぜ。」


が!?」


俺は慌てて周りを見渡した。


「あ、オイ!!越前!!」


目当ての人物を見つけて、俺はすぐに走った。


!!」


の前まで来て、俺は足を止めた。


「・・・・・・・わざわざ走ってこなくても俺は逃げないよ。」


は呆れたような顔で俺を見ていた。


「そうだけどさ・・・・。どうしたの?何かあった?」


「別に?・・・・・激励しに来ただけ。」


は手に提げているコンビニの袋を持ち上げて言った。


「・・・・この間はごめんな。言い過ぎた。」


「ううん、俺のほうこそごめん。もうちょっとと一緒に居る時間作れば良かったって思ったんだ。」


「俺のことは気にしなくて良いって。リョーマがテニス頑張ってくれれば俺は嬉しいもん。この間のは、はずみで言っちゃっただけだし、気にしないでよ。」


は無理やり作ったような笑顔で言った。
本音じゃないんだってすぐにわかった。


「そんな顔してちゃ説得力無いよ。」


「え?」


はビックリして顔に手を当てた。


、泣きそうじゃん。」


「そ、そんなこと無いって!!!何言ってんだよ、リョーマ。」


は顔を真っ赤にして、手をばたつかせた。


「ま、良いけどね。あと1時間くらいで練習終わるから、待っててよ。一緒に帰ろう。」


「え?あ、うん。わかった。」


俺はの差し入れを受け取った。


「じゃあ、これありがとう。」


「リョーマ。俺ね、テニスしてるリョーマが一番好きだよ。じゃ、頑張ってね。」


はそう言って、コートから離れた。


「不意打ちは反則だろ・・・・」


俺はひとり呟いた。




*おわり*





+あとがき+



桃リョっぽいのは気のせいです!!
つーか、リョーマ受けっぽい。一応、攻めのはずなんですが・・・ねぇ?

最近、文章手抜きですいません。会話ばっかじゃん・・・