視線




何気ない日常の中に見つけた、ほんの小さな幸せの瞬間。
まさか自分にもあるなんて思ってなかったから驚いた。

それが、桃先輩と目が合ったときだなんて・・・・


「・・・・・・・ちぇっ。まだまだだね。」


恥ずかしさのあまり、俯いてしまうけれど。
廊下ですれ違うとき、授業中見下ろした校庭、部室の中、練習の合間・・・・
どんなときでも、必ず目が合う。


―――何故だろう・・・


不思議に思いながらも、それが偶然やまぐれだとは思わない。
必然だと思いたい。
だって、俺は・・・


桃先輩のことが好きだから。


桃先輩も同じように、俺のことを好きでいて欲しいと願っている。


「え、越前っ!!ちょっと話が・・・・」


―――ほらね。


偶然なんかじゃないんだ。




*おわり*




+あとがき+


リョーマの独白。
たまにはこういうのも良いかなぁと思います。