まさか、こんなことになるとは思っても見なかった・・・
君が居る場所
+10.滅却師の誇り+
ドッ
矢が当たり、しばらくして虚の仮面が割れる。
「一撃で・・・・・・滅却せなくなってきたか」
(・・・おかしい・・・幾ら何でも虚の数が多すぎる・・・!)
僕は血の滴り落ちる指先を見つめた。
「見つけた!!石田!!!テメェ、何考えてんだ馬鹿野郎!!!」
その時、どこからか怒鳴り声が聞こえた。
「き、君は・・・!?」
「何故、撒き餌を蒔いた!?死にたいのかッ!?」
僕の知るは、霊力なんてまったく持っていない一般人だったはずだ。
しかし、今のは、黒崎なんて目じゃないほどの強い霊力を放っていた。
「死神が嫌いなのはテメェの勝手だが、未熟者のくせに無謀なことしてんじゃねぇ!!」
>は背後に近づいてきた虚を片手で殴り飛ばし、一撃で昇華させた。
「君は一体・・・何者なんだ?」
次々と現れる虚を、は顔色一つ変えずに一体残らず昇華させていく。
「そんなことは後にしろ!とりあえずここを離れるぞ!」
は強い力で僕を引っ張り、担ぎ上げて走り出した。
* * * * * * * * * *
「朽木!!」
に連れられて着いた場所は、朽木さんのところだった。
「大丈夫か!?」
は僕を下ろすと、朽木さんの傍へ駆け寄った。
「!それに石田も・・・やはり、これは貴様の仕業か・・・」
朽木さんがそう言って僕を睨んだ。
「初めまして・・・と言うべきかな。こうして口をきくのは初めてだね、朽木ルキア・・・」
僕が朽木さんに、これが滅却師としての僕の誇りをかけた戦いであることを話し始めると、は急に放出していた霊力を引っ込めた。
「何を悠長に挨拶してやがんだテメェは。・・・・そうだ、石田。俺のことは一護には黙ってろよ。そうすれば、今回のことは大目に見てやる。ただし、町の人間が一人でも無事じゃなかった場合は、絶対に許さねぇ。・・・・俺はこの平穏な街での暮らしを気に入ってるんだ。」
はそう言い捨て、この場から去っていった。
それとほぼ同時に虚が表れ、黒崎も姿を現した。
「石田ァ・・・!」
黒崎は僕に向かって文句を言いながら、黒崎の体に入っている者と朽木さんと揉め始めた。
そして、空に入った亀裂に向かって虚たちがどんどん集まっていく。
「な・・・何だよあれ・・・!?」
虚たちの様子が変わり、亀裂からとてつもなく大きな虚が姿を現した。
さらに、黒崎の仲間なのか、見知らぬ4人が現れ、周りにいた虚を一掃していった。
「行くぜ石田ァ!!」
黒崎が虚に向かって走っていく。
そして、黒崎に力が徐々に大きくなっていき、そのまま虚に斬りかかると、虚は帰っていった。
しかし、コントロールが利かなくなった黒崎が倒れ、その霊気が暴走し始める。
「クソッ・・・・どうしたら・・・」
触れてもいないのに莫大な影響を受け、霊子兵装としての形状が保てなくなる、そう思った瞬間、矢を放てば良い事に気づいた。
黒崎から溢れ出る霊気を集め、僕が放出すれば良い。
「・・・・・・・・?」
ふと、僕が放出している量よりも遥かに多く、黒崎の霊気が減っていることに気がついた。
視界の隅に何かが映る。
「・・・・・・・?」
フェンスの向こう側にの姿があった。
は何かを手に持っていて、ソレが黒崎の霊気を吸い取っている。
そのお陰もあって、黒崎の霊気はすぐに落ち着きを取り戻した。
膝の力が抜ける。
「・・・ちぇっ・・・そんなカオしてる人間殴れるかよ・・・」
黒崎の呟く声が聞こえた。
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+memo+
何か矛盾があるかも・・・?スミマセン。