君が居る場所



+17.新しい仲間+



久しぶりに会った空鶴は、相変わらず、惚れ惚れするほどの傍若無人ぶりだった。
岩鷲がデカくなっていたことには驚いたが・・・。


「よぉ、。久しぶりだな。元気そうで何よりだ。」


一護たちが霊力集中の練習をしている間、俺は家の外に出ていることにした。
砲台の方へ行くと、空鶴が一人で酒を飲んでいた。


「あぁ、そっちこそ元気そうだな。」


俺は空鶴の隣に腰を下ろした。


「・・・お前も飲むか?」


空鶴が杯を俺に差し出す。


「再会を祝して、か?良いぜ。」


俺は杯を受け取り、なみなみと注がれた酒を一息に飲んだ。


「・・・・・お前、変わったな。」


空鶴がポツリと言った。


「そうか?自分じゃわかんねぇけど。」


「あぁ、変わったよ。昔はそんな笑い方しなかっただろ・・・・」


空鶴がそう言って、フッと小さく笑う。


「・・・・・色んなモン捨てたしな。その上、たくさん失って・・・・・失ったものの方がデカすぎて、笑い方なんてとっくに忘れちまった・・・・・」


時折、不意に思い出して泣きそうな時がある。
泣きたくて、泣きたくて・・・・でも、泣けなくて・・・・。


「そうか・・・・・」


空鶴はそれ以上何も言わず、ただ黙々と酒を飲み続けた。



地響きと共に一護の強い霊圧を感じた。
空鶴と地下練武場へ向かうと、大きく膨れ上がった霊力の塊の中に一護がいた。


「さっさと霊力を固めやがれ!!!」


空鶴がそう怒鳴り、一護が霊力を固めた。
が、その直後、一護が集中を解いたために爆発した。


「・・・・・・・・はぁ・・・・・」


呆れてものが言えない。
だけど、そのお陰で、俺の中にあった暗い気持ちが一気に吹き飛んだ。






* * * * * * * * * *






明け方、目が覚めるともう出発だと言われた。
外へ出ると全員が揃っていて、岩鷲の本音を聞いた。


「・・・・あれ?」


そういえば、と夜一さんに問いかける。
言われたとおりに霊珠核を地面に置くと、その上に夜一さんが乗った。
そして・・・一瞬で砲弾が造り上げられた。


「・・・・・・・・・・・・・・は?昨日、練習してなかったよな・・・?」


夜一さんの嫌味に打ちのめされつつも、の方を見上げる。
は答える代わりにニヤリと笑った。


「・・・・・・・やっぱいい・・・・・」


はできるのだと、確信した。



瀞霊廷内に入る途中、とチャドがそれぞれ違う方向へ飛ばされてしまった。
夜一さんはもチャドも大丈夫だ、とりあえず自分たちのことを考えろと言った。
が、あと一歩のところで、俺たちはバラバラになってしまった。


「・・・・・・・・・・・」


必ず無事でいてくれと心から願う。





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+memo+

ちょっぴりシリアスモードです。