君が居る場所



+18.懐かしい場所+



「あーぁ・・・・一人かぁ・・・」


障壁にぶつかった衝撃で、俺はみんなから離れてしまった。
まぁ、一人の方が動きやすいから、良いのだが・・・・


「まさか、ここに落ちるとはなぁ・・・」


俺が落ちた場所・・・それは、俺がまだ死神だった頃に住んでいた家の庭だった。


「・・・・・・帰ってきちまったな。」


窓越しに家の中を覗くと、家具もその配置も俺がここを出て行ったときのままだった。


「誰も、触ってねぇのか・・・」


庭から玄関へ回り、合鍵の隠し場所である 傘立ての底板をはずす。
俺が隠した合鍵はそこに残っていた。


「ひとまず、ここに隠れるか・・・」


底板を戻し、合鍵で中に入る。
ここへ落ちる前に霊圧は消したから、死神たちに居場所を悟られることはないだろう。


「・・・・・ふぅ。」


ギシッと軋む階段を上り、寝室へ向かった。
扉を開くと、ムッとする熱気が溢れ出す。


「少し埃っぽいな・・・」


窓をわずかに開けて、畳の上に腰を下ろした。


「・・・・一護たちは戦ってるみてぇだな・・・・夜一の奴はどこにいるんだか・・・」


あちこちで衝突する霊圧を感じ、目を閉じた。


「向かう先は懺罪宮・・・・・・どうやって行くかが問題だなぁ・・・。いっそのこと、地下水道に入っちまうか・・・」


俺は箪笥の真ん中の引き出しを開け、二重底の中にある紙を一枚取り出した。
それは地下水道の地図で、以前、四番隊の友人にもらったものだった。


「今いる場所がここだから・・・・・一番近い入り口はここだな・・・ここからこう行って、ここを左に・・・・」


前もって確認をしなくても行けることは行けるのだが、今回は一刻を争う事態だ。
一瞬たりとも油断は出来ず、間違えることも許されない。


「・・・よし、覚えた。」


頭の中で覚えた地図を何度も反芻し、箪笥の中から一着の死覇装を取り出した。
もし万が一、死神と遭遇したときのために、四番隊のフリをすることにした。
眼鏡をかけ、髪形を弄り、変装をする。


「・・・行くか。」


地図を懐にしまい、部屋から出た。
そして、庭の隅に隠してある地下水道の入り口に向かった。





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+memo+

この話から、主人公視点メインで進めていく予定です。
オリジナル要素を出していこうかと思うのですが・・・・どうなることやら。
ちなみに、主人公の家は軽くカラクリ屋敷です。(←意味のない設定(笑))