君が居る場所
+21.決意を胸に+
「・・・・・、君は何故、ここにいるんだ?」
夜一が一護を連れ去り、白哉が離れ、浮竹が朽木を牢に戻した後、静かにそう言った。
「・・・・・・さあな。・・・・・・・岩鷲。悪いが俺はもう行く。お前は、とりあえず、浮竹の指示に従ってくれ。多分牢屋に入れられるだろうけどな。・・・・俺は今、こいつらに捕まるわけにはいかねぇんだ。・・・・ここで見たこと聞いたことは誰にも言うな。今はまだ、言わないでほしい・・・」
「あ、ああ・・・」
「じゃあ、浮竹。岩鷲のこと、頼むよ。大事な友人の大事な弟なんだ。くれぐれも手荒にはしないようにな。」
「!彼に・・・彼には会ったのか?」
「・・・・いや、まだ会ってねぇよ。」
「・・・・・そうか・・・」
浮竹がそれ以上何も言わないのを確認し、俺は懺罪宮から離れた。
* * * * * * * * * *
その夜、俺はある人物の後をつけていた。
「―――やっぱり二人一緒にいやがったか・・・」
静かな夜の闇の中、一人の声が響く。
「思った通りだ」
それは十番隊隊長、日番谷冬獅郎。
その視線の先にいるのは、三番隊隊長市丸ギン、そして、副隊長の吉良イヅルだった。
「・・・雛森より先に来れて良かったぜ・・・あいつが来る前に俺がてめえを殺す」
その時、二人の間に一つの陰が飛び込んだ。
「・・・雛森・・・!」
五番隊副隊長、雛森桃だった。
雛森は斬魄刀を強く握り締め、日番谷に刃先を向けた。
半狂乱になって泣き叫びながら日番谷に斬りかかる雛森。
「・・・そうか・・・これもか・・・これも全部てめえの仕業か!!!市丸!!!」
雛森の攻撃を避けて飛び上がった日番谷が市丸に向かって斬りかかろうとした瞬間、その前に雛森が飛び上がった。
「雛森!!」
空中ではかわし切れないと踏んだ日番谷は雛森を薙ぎ払った。
失神した雛森を見下ろした日番谷は市丸に向き直る。
「雛森に血ィ流させたらてめえを殺す!!!」
そう言って、刀を抜いた。
「霜天に坐せ!!『氷輪丸』!!!」
氷輪丸の力で市丸の左腕を封じた日番谷に、市丸は容赦なく斬魄刀を解放した。
とっさに避けた日番谷はその先に雛森がいることに気づき慌てた。
その時、十番隊副隊長の松本乱菊がその攻撃を防いだ。
「・・・・・・・・・」
市丸が去り、日番谷たちが雛森を搬送していく。
「・・・・・・・・・冬獅郎・・・」
その姿を見送り、思わずこぼれた名前。
「・・・・・お前は俺が護る。」
俺はまた一つ決心をした。
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+memo+
主人公をどう絡ませるか悩みます。