君が居る場所
+22.真実(前)+
翌朝になり、俺は朽木が処刑される双きょくではなく、中央四十六室の前にいた。
扉を開け、中へ入るとすでに中央四十六室全員が殺害されていた。
「・・・いらっしゃると思っていました。日番谷隊長」
そう言って姿を表したのは吉良イヅルだった。
「まさかてめえがこれをやったのか・・・?」
俺がそう言ったとき、吉良は逃げるように外へ出て行った。
その後を松本と共に追う。
「雛森くん、ずっと・・・隊長達の後ろをついて来てましたよ」
吉良がそう言い、俺は松本に後を任せ、中央四十六室に戻った。
「・・・市丸・・・・・・と・・・・・・・・藍・・・・・・染・・・!?」
そこでもまた、信じられない光景を目の当たりにした。
死んだはずの藍染がそこに立っていたのだ。
「・・・雛森は何処だ・・・」
「何処かな」
俺は藍染たちが出てきた扉の向こうへ飛び込んだ。
そこでは雛森が血を流して倒れていた。
「―――――卍解 大紅蓮氷輪丸」
「――――藍染、俺はてめえを・・・殺す」
「・・・あまり強い言葉を遣うなよ。弱く見えるぞ」
そう言って、藍染がニヤリと笑う。
―――ドッ
俺が構えた瞬間、すぐ目の前で衝撃音が聞こえた。
しかし、俺の身には何も起こっていない。
「・・・・・・?」
俺の前に立ちはだかるように男がいる。
「危ねぇ、危ねぇ・・・もう少しで死なすとこだったじゃねぇか・・・」
その男は、安堵のため息を漏らした。
「・・・・・君は、・・・?」
藍染がわずかに目を見開く。
「おう、久しぶりだな、藍染。とりあえず、この物騒なモノはしまってもらおうか。」
という名を聞いて、俺は我が耳を疑った。
男はそう言って、藍染の斬魄刀を弾いた。
その弾みで、藍染が一歩後ろに下がった。
→後編
+memo+
藍染の一人称は私なのか僕なのか・・・・
“双きょく”とか、“かく趾追雀”とか使えない漢字が多くてビックリです・・・。