君が居る場所



+22.真実(後編)+



「何故、君が此処にいる?」


「あれ?てっきり市丸の奴がお前に言ったと思ってたけど・・・尸魂界に着いたその日に俺は市丸と会ってるぜ。旅禍の一人として。」


男はそう言って一瞬首を傾げた。


「・・・そうなのか、ギン?」


「ああ、はい・・・すんません。伝えるの忘れとりましたわ。」


問いかけられた市丸が軽く頭を下げる。


「・・・・まあ良い。」


藍染が再び男に視線を据える。


「・・・・・・・・?」


目の前にいる男の姿を俺は信じることが出来ない。


「・・・・・・・・よう、冬獅郎・・・・・」


俺の呟きに、男がそっと振り返る。
やはり俺の知る本人だった。


「・・・・・・生きて、いたのか・・・・・・」


「はぃ?」


はわけがわからないといった風に瞬きを繰り返した。


「・・・・・・お前は現世で死んだと、聞いた」


「はぁ!?誰が!?」


は眉を吊り上げ、素っ頓狂な声を上げると、即座に藍染に向き直った。


「藍染、てめえ・・・まさか・・・・!!」


怒りに満ちた声で凄むが、藍染は気にも留めずにニヤリと笑った。


「・・・君が僕のものにならないと言ったときから、彼は僕にとって邪魔者でしかなかったのでね。君がいなくなった後、少々偽らせてもらったよ。」


「何ッ!?」


が刀を構えたその時・・・


「・・・やはり此処でしたか、藍染隊長・・・いえ、最早隊長と呼ぶべきではないでしょうね。大逆の罪人、藍染惣右介。」


そう言って、四番隊隊長の卯ノ花烈と副隊長の虎徹勇音が現れた。


「卯ノ花か・・・」


が卯ノ花の方を向きそう呟いた。


「お久しぶりです、隊長。」


卯ノ花がそう言って頭を下げた。


「おいおい、俺はもう隊長じゃねぇよ。それに死神でもねぇ。ただのだ。」


「・・・・そうでしたね。つい、昔の癖でそう呼んでしまいました。では、、と呼ばせていただきます。」


「ああ、それで良い。・・・・俺が昨夜置いていった手紙は読んでくれたようだな。」


「はい、しっかりと読ませていただきました。藍染惣右介の所有する斬魄刀『鏡花水月』の有する本当の能力が完全催眠であること、彼の死が偽装であると・・・・これが真実なのだと理解いたしました。」


「・・・・・・そうか。・・・君も、僕の邪魔をするのか・・・仕方ない・・・ギン、行くぞ。」


「はい。」


その直後、藍染と市丸は姿を消した。


「・・・・・・・・・双きょくです・・・・・・」


即座に虎徹が、かく趾追雀で藍染たちの行き先を見つける。


「俺が行く。卯ノ花は雛森を頼む。」


はそう言って刀を鞘に収めた。


「待て!俺も・・・・ッ」


俺がそう言った瞬間、腹部に強い衝撃が走った。


「・・・・ごめんな、冬獅郎・・・少し、休んでいてくれ。」


が俺を殴ったのだと理解したとき、俺の意識は薄れていった。





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+memo+

元十一番隊隊長という設定にしましたが、変えるかも?