君が居る場所
+04.不思議なインコ+
「〜!!昼飯食いに屋上行こうぜぇ!!」
「おう!」
昼休みになると同時に啓吾に呼ばれて、俺は自作の弁当を片手に席を立った。
「あ、購買付き合ってくれよ。」
「おー良いぜ〜。俺、コーヒー牛乳な。」
満面の笑みで、購買に付き合うための報酬を告げると、啓吾は顔を赤らめた。
「っ・・・わーったよ。ホント、ちゃっかりしてるよなぁ、は・・・。」
取り繕うようにほぅっと息をつき、嬉しそうにそう言った。
なんだかんだ言いつつ、啓吾は俺のことが好きらしい。
友情というより恋の方だと思う、と水色が以前コッソリ言っていた。
「・・・・恋、か・・・」
「ん?何か言ったか?」
「いや、何も。つーか、早く行かねぇと売り切れちゃうんじゃねぇ?」
「あ、ヤバイ!!急げっ!!」
啓吾がバタバタと廊下を走る後を俺も追いかけて購買へと向かった。
* * * * * * * * * *
啓吾と二人で屋上に行くと、そこには既に一護や水色、朽木さんがいた。
「おーす。一緒してイイっスか――」
「おー、ケイゴ。。」
啓吾が声をかけると、一護が返事をした。
「あれ?チャド来てねーの?」
「イヤ?」
「そういえば見てないね。」
啓吾の問いかけに一護と水色が答える。
「おっかしーな。ドコ行ったんだ、あいつ?」
と言いつつ、啓吾は朽木さんを見つけ、一気にテンションを上げた。
恋をしても美少女好きは変わらないらしい。
「まーイイか・・・」
啓吾が騒ぐ中、俺は水色の隣に腰を下ろし、いつの間にか現れた大島たちを横目に、弁当を広げる。
「どうかした、?」
水色に声をかけられ、
「ん?いや?なぁんも。いっただっきまーす!つーかさ、アイツら馬鹿だよなぁ・・・毎度毎度同じことで喧嘩して飽きないのかねぇ・・・」
パンッと手を合わせて挨拶をしておかずをつまみながら、一護たちを示す。
「ちょうどいい・・・今ここでハッキリと・・・白黒つけてやるれ!!」
大島がそう叫び、一護と水色が呆然とし、啓吾一人が大島の右手にはめられている武器を見てアタフタとしている。
「アイツは救いようのない馬鹿だな・・・」
俺は苦笑しながら小さく呟いた。
すると、大島の背後に見慣れた姿があり、
ブンッ
一瞬で大島の体が吹っ飛んだ。
「おぉ〜スゲェ!」
パチパチと拍手を送ると、そいつ・・・チャドが少し照れたように頬を染めた。
「ケガ・・・・・・してるな。どうしたんだ?」
一護がチャドの包帯に気づき、問いかける。
「・・・頭のは昨日・・・鉄骨が上から落ちてきて・・・」
「「「「てっ・・・鉄骨!?」」」」
全員の声が綺麗にハモった。
「手とかのはさっきパン買いに出た時に・・・・・・オートバイと正面衝突した。」
チャドは淡々と簡潔に説明していく。
「何してんだテメーは!?」
「で・・・バイクの人が重傷だったから・・・病院までおぶって行ってた・・・」
チャドは説明を終えると、背中に持っていた鳥かごを地面に置いた。
「コンニチハ!ボクノ ナマエハ シバタ ユウイチ!オニイチャン ノ ナマエハ?」
籠の中のインコがそう言った。
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+memo+
インコとの出会い編・・・?