君が居る場所
+05.友達(前)+
昨夜、家の病院にチャドが運ばれた。
ルキアの話だと、チャドの傷から虚の匂いがしていたということだった。
翌朝、親父がチャドがいなくなったと報せに来て、俺は急いで学校へ向かった。
しかし、学校にもチャドはいなくて、俺は即座に学校を飛び出した。
「一護!」
呼ばれて振り返るとルキアだった。
「どうだ!?足取りは掴めたか!?」
「イヤ・・・そっちはどうだ?」
「こっちもダメだ。尸魂界からの虚の情報はゼロ・レーダーにもかからん!」
そして、説明をはじめ、虚がチャドを襲うために現世に出てこない限り位置を知ることは出来ないのだといった。
「くそ・・・ッ。チャドの奴、虚に狙い撃ちされてんだぞ・・・襲われてから動いたんじゃおせーじゃねせか・・・!」
そこまで考えてふと気づいた。
「そうだ!チャドが持ってたインコ!あれについてた霊の気配をたどりゃいいんじゃねぇか!?」
「なに!?」
「よォし!!」
俺は意識を研ぎ澄まして、インコについている霊を探し、見つけ出した。
* * * * * * * * * *
チャドを見つけると、チャドは何故か逃げていった。
さらに追いかけようと足を踏み出すと、夏梨がいた。
「一護!!貴様はそいつをいったん家へ送れ!」
ルキアがそう言い、俺は夏梨を抱き上げて家へ向かった。
「・・・一兄・・・・・・あたし、見ちゃったんだ・・・」
夏梨が苦しそうに呟く。
「昨日のインコについてた霊の記憶・・・あたしが一番 歳が近かったからだと思う・・・あの子の心に一番強く残った記憶が・・・・・・あたしの中に流れ込んできたんだ・・・」
苦しそうに、途切れ途切れに続けられる言葉。
「・・・あの子、目の前で・・・目の前でお母さんが殺されてた・・・!!・・・おねがいだよ一兄・・・あの子を・・・あの子を助けてやって・・・・・・!おねがいだ・・・!」
そう言って夏梨は泣いた。
「―――・・・・・・・泣くなよ夏梨・・・」
俺はあの霊を助けてやる、と夏梨に約束した。
* * * * * * * * * *
一護が妹を抱き上げて家に向かったのを見届け、私はチャドの後を追ったが、義骸に入っている所為で思うように体が動かない。
「いい匂いがするなァ・・・!」
背後から声が聞こえ、振り返ると虚がすぐそこにいた。
「アンタ・・・スゲーうまそうな匂いだ・・・喰わせてくれよ・・・・・・その魂!」
ゴッ
虚の攻撃を受け、吹き飛ばされたが、何とか体勢を整え、虚の顔へ膝蹴りを食らわす。
「“君臨者よ!”“血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ!”“真理と節制”“罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ!!”破道の三十三!!蒼火墜!!」
ドンッ
(撃てた!!よし!このぐらいの力は戻って―――・・)
「!・・・な・・・」
煙の中から現れた虚は無傷だった。
「離れろ朽木!!」
呆然としている私に虚が襲い掛かってくる、と同時にどこかから声が聞こえた。
→後編
+memo+
前後編に分けました。
前編の最後のところからルキア視点です。