君が居る場所



+05.友達(後)+



「蒼火墜!!」


ドンッ


頭上から声が聞こえ、続いて鬼道が発せられて、虚が吹っ飛んでいく。
そして、私のすぐ目の前に立ちはだかるように空から人が飛んできた。


「き、貴様は・・・・」


その後ろ姿に見覚えがあり、顔をよく見ると、同じクラスのだった。


「・・・何故、貴様が鬼道を使える!?」


「・・・・・一護には内緒にしていてくれよ?俺、元死神なんだ。」


はそう言ってニッと笑った。


「な・・・」


ゴッ


私がに気を取られていると、傍まで戻ってきていた虚がチャドに殴り飛ばされた。


「おぉ〜スゲェな。チャド、お前見えてないんだろ?」


はパチパチと拍手をしながら、チャドの動きを見ていた。
チャドはブンブンと拳を空に打ち込んでいる。
そして、マグレで虚に当たると、虚は空へ飛び上がった。


「ヒャハハハハハッ」


虚の下品な笑い声が響く。


「逃げろ!!奴は飛んだ!!」


私が叫ぶと、チャドは驚いた顔で私を見て、どこにいるかと訊いてきた。
そして、近くにあった柱を抱え折り、大きく振り上げる。


「ヒュ〜やるねぇ〜」


が感心した声を上げた。


「・・・どっちの方向だ?」


チャドに再び訊かれ、私が答えると、チャドは柱を振り下ろし、虚を叩き落した。
私とチャドが近寄ると、虚が笑い、背後から大量の虚らしきものが現れ、私とチャドは地面に押さえつけられた。


「く・・・っ」


助けてもらおうとの姿を探していると、チャドが背中に張り付いているものを振り払い立ち上がった。


「大丈夫か?朽木?」


はどこからか持ってきた棒で私の上の虚らしきものを払い落とした。


「あぁ、ありがとう・・・」


「油断するなよ、朽木。こいつは・・・」


が何かを言いかけたとき、虚が再び空へと飛び上がった。


「ちっ・・・」


が舌打ちをする。
私はチャドを呼び戻し、思いついたことを実行した。


「・・・よし!そこだ!!止まれ!!」


私はチャドの肩に乗り、目標を定めて指示を出す。


「発射!!」


チャドに放り上げてもらい、私が虚に攻撃しかけたそのとき、虚の肩に乗っていたものが、何かを吐き出した。


「よけろ!!それは爆弾だ!!!」


が叫ぶのと同時に体に何かが張り付いた。


「朽木!!」


地面に落ちた私にが駆け寄ってくる。


「出来る限り剥がすんだ・・・・奴がアレを仕掛けて・・・っ!?」


が剥がすのを手伝ってくれるが、すぐに虚が舌を鳴らし、私に張り付いていたヒルが爆発した。
そして、あのインコの鳥かごを運ばせた虚は楽しそうに笑うと、


「逃げ回れ!!俺が楽しくアンタだけを狩れるようになァ・・・!あと、お前もだ。」


と、私とに言った。
私はチャドに動くなと伝え、と共にその場から離れた。
吐き出されるヒルを避けながら走っていると、が不意に速度を落とした。


・・・?」


「・・・・くれぐれも一護には内緒にしてくれよな。俺はまだ、アイツに知られるわけにはいかねぇんだ・・・」


はそう言うと、大きく飛び上がり、近くの家の屋根に飛び乗った。
そして、屋根伝いに私とは違う方へと逃げていき、その後を小さい方の虚が追いかけていく。
私はが姿を消した理由に気づき、足を止めた。
そう・・・一護が到着したのだ。


「・・・・・?」


虚を踏みつけ、空を見上げた一護が、一瞬怪訝そうに屋根の上を見る。
しかしすぐに虚へと向き直った。





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+memo+

ズルズルと長引いてしまったので、中途半端かもしれませんがここで終わりにします。
主人公の秘密暴露・・・詳細は追々書いていきます。