君が居る場所



+08.君の笑顔+



――――俺がに対して恋愛感情を抱いていると自覚したのは、まだと出逢ったばかりの頃だった。






高校に入学したばかりのある日の夜、俺は親父にコンビニへ買い物に行ってこいと追い出され、渋々出かけた。
その帰り道に見覚えのある人物が前から歩いてくるのを見つけた。


!こんな時間に何してんだ?」


その人物は、同じクラスのだった。
とは教室で会ってすぐに仲良くなって友達になった。


「おぉ、一護か。ちょっとな・・・てか、お前こそ何でいるんだ?」


「コンビニ行ってた。・・・・俺んち、すぐそこなんだよ。」


ここの角を曲がった先にある、と指をさした。


「あ、マジで?へぇ〜。あ、俺んち、空須川越えたトコなんだ。笠咲の手前で・・・・結構近いんだなぁ。」


はニッコリ笑ってそう言った。
その笑顔に、一瞬だけど、ドキッとした。


「てことは、チャドの家も近いんじゃねぇ?チャドの家も、空須川越えたところだし。」


「そーいやー、たまに家の近くで見かけるな。」


ハハッとは笑った。
そういえばはよく笑うなぁ・・・とぼんやりと考えた。
出逢ってからまだ数日しか経っていないが、いつ見てもは笑顔でいる。
まるで、笑うこと以外知らないかのように、常に笑っている。
俺はその笑顔が好きだ。
というか・・・笑顔だけではなく、自身も好きだ。
最初は、俺もも男だし、友情だと思ってたけど、すぐに違うとわかった。


初めて出逢ったあの日に、恋をしたのだと・・・


「ウチに寄ってくか、?」


「良いのか?」


「あぁ、来いよ!あ、うるせぇヒゲが一人いるけど気にしないでくれよな。」


「ハハッ。何だソレ。」


俺は楽しそうに笑うを連れて家に向かった。



ずっと俺の隣で笑っていて欲しい・・・そう願いながら。






「あ。一護、オッス!なぁなぁ、今日、お前んち泊まりに行って良いか?」


教室に入ると、はいつものように笑顔で出迎えてくれる。


「おう!来いよ!!」


俺はの笑顔に見惚れつつも、今はまだ、この気持ちを隠しておこうと思った。





next


+memo+

ちょっとだけ時間軸を戻してみました。
一護が死神になる前です。