第二十ニ話



長いようで短い中間考査が終わり、クラス内の緊迫ムードが払拭された。
今日は試験結果発表の日で、上位百名が廊下に張り出されるらしく、みんなそわそわと落ち着かなかった。
中間考査の科目は五科目で、合計点数は五百点満点となる。


!!結果見に行こうぜ」


結果が張り出されるや否や、跡部が俺を呼びに来た。


ちゃん頑張ってたし絶対大丈夫だと思うよ」


ジローが励ましてくれる。
二週間みっちり勉強したお陰で、結構良い点が取れたのではないかと自負していた。
廊下へ出ると他の生徒も皆同じところへ向かっていて、廊下の真ん中辺りに人だかりができていた。


「行くぞ、。勝負だ!!」


跡部が人ごみを掻き分けて進んでいくのに続き、俺も最前列を目指した。


「・・・・・・・・・・・あ」


結果は俺の負けだった。
順位で言うと一位が跡部で二位が俺。
点数は十点ほど足りない。


「よし、今日からはテニス部マネージャー確定だ!!」


跡部が高らかに宣言する。


「・・・・・・・・・」


敵うはずないとわかってはいたが、実際に目の当たりにするとショックだった。


「良いか、!?今日からだぞ」


「何度も言われなくてもわかってる」


苛立ちを隠しきれず、半ば八つ当たりするように答えた。


ちゃん・・・・」


ジローが心配そうに俺を見た。


「教室戻ろう、ジローくん」


俺はジローの腕を引いて人ごみを抜けた。
その途中、視界の隅に忍足を見つけたような気がしたが、気のせいだと思うことにした。
あれだけ世話になっておいて薄情だとは思うけれど、これ以上誰かと会話をする気にはなれなかった。



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+あとがき+

主人公マネージャー確定です。
そろそろ恋愛要素を前面に出しましょうかね。