第二十四話



テニス部のマネージャーになって一週間ほどが経った。
五月も残りわずかだ。
梅雨入りはまだまだ先だが、気温が幾分か高くなったように感じる。
この一週間でマネージャー業に大分慣れた。
そして今、備品倉庫で在庫のチェックをしていたところだった。
テニスコートの方では休憩に入ったらしく、練習中とは違う部員たちの楽しそうな声が聞こえてきた。


ちゃーん!!」


そう言って倉庫に飛び込んできたのはジローだった。


「こんなところにいたんだね。跡部が超機嫌悪いよ」


「ずっとアイツのそばにいたら息が詰まる」


答えながら再び棚へ目を向ける。


「アハハハハ。ホント、跡部には容赦ないね〜」


ジローが笑いながら言い、俺のすぐ横に立った。


「なあ、ジロー。絆創膏の減りがスゲェ早いんだけど、何でか知ってるか?」


「絆創膏?あー、多分向日じゃないかな」


「向日?」


「うん。試合中とか跳びまくってよく転んでるから」


「ふうん・・・・じゃあ、多めに仕入れておいたほうが良いな」


メモに書き込んだ数値を書き直す。


「あとは湿布とコールドスプレー、テーピングを追加して・・・・」


必要な数値を書き入れ、メモを読み返す。


「よし。これで良いだろ。買い出しに行ってくるから跡部に言っといてくれ。練習が終わるまでには戻るから」


「わかった。いってらっしゃい」


「ああ」


ジローに見送られ、備品倉庫を後にした。



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+あとがき+

マネージャーの服装どうしようかなぁ・・・・やっぱ普通にジャージかな?
跡部が一式揃えてそう(笑)