第二十六話



「じーんーちゃーん、あっそびーましょ?」


歌うようにそう言うと、仁だけでなく高校生たちも手を止めた。


「何だテメェ?ふざけたこと言ってんじゃねーぞ!?」


仁が鋭い目つきで俺を睨みつける横で、高校生たちが俺の顔を見てヒュウッと口笛を吹く。


「あれ?わかんない?そんなこと言ってイーのかなぁ?」


ニッコリ微笑んでそう言うと、仁は俺に気づいたのかグッと息を呑んだ。


「オニーサンたちも、いい加減どっか消えないと人生終わるよ?」


高校生の一人が俺の肩を掴もうと手を伸ばしてきたため、俺はその手をさっと掴み、思い切り捻り上げた。


「イデデデデデデッ!!!!何しやがるんだテメ・・・・」


「さっきそこでお巡りさんに会ったんだよね。この辺で高校生の集団が中学生を虐めてるって通報されたみたいで・・・・もうそろそろここ通りかかるんじゃない?」


高校生の話を遮り、クスッと軽く笑いながら言うと、高校生たちは大きく舌打ちをして倒れている奴らを叩き起こして逃げていった。


「何だ、案外小物だったんだな・・・・面白くなると思ったのに」


「何でお前がいるんだよ・・・・


「たまたま通りかかっただけ」


「そうかよ・・・・つーか、そのカッコは何だ?」


女子の制服姿であることが気になるらしい仁がクククッと喉の奥で笑った。


「今はそんなことどうでもいいだろ」


俺は少しムッとしてはぐらかした。



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+あとがき+

主人公の性格変わった・・・・?