第四十九話
二学期に入ると、すぐに後期生徒会選挙が始まった。 生徒会長への立候補者は何人かいたが、全校生徒が投票する相手は始まる前から決まっていたようなものだろう。 演説のときから既に生徒たちの反応が違っていて、誰もがみんな、彼……跡部が生徒会長になると信じていた。 そして、出た投票結果は圧倒的に跡部への票が多く、跡部が生徒会長になることが確定した。 「フハハハハハ、当然だろ?」 跡部は壇上で高笑いをして、女子たちが卒倒しそうなくらいの甘い笑みを浮かべた。 (あーあ……) 実際に倒れる女子が続出で、講堂内は騒然となった。 * * * * * 「、俺様の秘書になれ」 「嫌」 選挙の後、俺の元へとやって来た跡部は開口一番にそう言った。 もちろん即行拒否したが。 ていうか、生徒会長の秘書って何だよ? 副会長とかじゃねぇのかよ。 「そうか、まぁいい」 (え?) あの跡部の割にはやけに聞きわけがよく、これ以上言い募ってこなかった。 「今日は生徒会がある。練習に関しては忍足と萩之介に任せたから、お前はアイツらのサポートをしろ」 「わかった」 とりあえず、今日は跡部と別行動が取れるとわかり嬉しかった。 とはいえ、この夏を境に、跡部が俺を束縛するような発言をする回数が減ったように思う。 俺様な発言は相変わらずだが、入学したばかりの頃を思えば、大分強引さが無くなったような気がする。 跡部も周りを見る様になったということなのだろう。 このまま俺が迷惑に思っているということに気付いて関わらないでくれればいいのに、と虫のいいことを考えた。 第四十八話← →第五十話 戻る +あとがき+ 短いですね… 何か思いついたらコッソリ書き足しておきます。 |